ネットの知恵袋「安全ネットのまとめ」

Description 1ネットの新品時における引張強さ(「仮設工業認定基準」認定)
網目の大きさ | 無結節編地 | ラッセル編地 | かえるまた(蛙又)編地 | かえるまた(蛙又)編地 |
---|---|---|---|---|
100mm | 2360N(240kgf) | 2060N(210kgf) | 1960N(200kgf) | 1177N(240kgf) |
該当商品 | 取扱いなし | 取扱いなし | NET01 | NET02(認定外) |
50mm | / | 1130N(115kgf) | 1080N(110kgf) | ※NET02は安全ネットとしての 基準は満たしていますが、 仮設工業認定基準は満たして いません |
該当商品 | / | 取扱いなし | NET04 | |
15mm | / | 400N(40kgf) | / | |
該当商品 | / | NET03/05/06 | / |
- 単位の見方と計算方法
- N(ニュートン):1N=9.8kgf(定数)
1ニュートンは、1キログラムの質量をもつ物体に1メートル毎秒毎秒(m/s2)の加速度を生じさせる力と定義されています。 - kgf(重量キログラム):1kgの重さの物体が受ける重力の大きさです。
重力の大きさにより変わるので、たとえば月ではkgfは変化します。地球上では1kgの重さには1kgfの重力がかかります。 - たとえば、NET01の場合、200kgまでの荷重に耐えることができるということになります。
落下の際に加算される荷重は、設置ロープにかかるとしますので、ネットにかかる荷重は単純に体重と考えます。
Description 2設置ロープの強度について
- 縁ロープの強度
- 安全ネットを設置する際のロープおよび縁ロープ(すでにネットに付属してあります)の強度は体重×加速度15G(定数)により計算される荷重をクリアする必要があります。
たとえば、体重90kgの人が、許容落下高度内から落下した場合、最大で15Gの落下加速度がかかるので、ロープにかかる荷重は 90kgf×15G=1350kgf(90×15×9.8=13230N)となります。
当店の安全ネットに付属されているロープはすべて 14700N(1500kgf)のものを付属させていますので、おおよそ100kgの人が落下した際の荷重に耐えることができる強度があります。
Description 3安全ネットの設置について
安全ネットは、強度の基準をクリアしていても、設置を正しい方法で行わないと、その安全は確保されません。

1)許容落下高
作業地点(落下地点)から、ネットまでの距離です。
近ければ近いほど安全性は高まります。
許容落下高は以下の公式で求めることができます。
許容落下高(この高さから落ちてもネットおよびロープの強度が保障される高さの限界)≦0.2×(L+2×A)
※ただし A≦L の範囲では、AはLと同値として計算します。
※落ちる人の体重、ネットの種類は加味しません。(ネットとロープは安全ネットに基準を満たしている場合)
※L=ネットの短か手の方の長さ
A=ネットの長手の方の取付ピッチ

2) ネットの垂れ
安全ネットは、設置した際に、ネットに垂れ(たるみ)があるほうがm衝撃緩和が優れています。
当店の安全ネットは、縁の仕上がりのサイズはご指定で仕上げますが、ネットの垂れ(たるみ)は、適度な数値を計算して自動的に製作しているため、お客様がご注文の際に考慮していただく必要はありませんが、設置の際に垂れる高さを計算しておく必要はあります。
ネットの垂れは、以下の公式で求めることができます。
ネットの垂れ(設置した際に、設置面から自然にネットが垂れる高さ)≦0.2×(L+2×A)/3
※ただし A≦L の範囲では、AはLと同値として計算します。
※L=ネットの短か手の方の長さ
A=ネットの長手の方の取付ピッチ

3)下部のあき
安全ネットが転落した人を受け止めると、どうしてもネットが下方向に沈みます。
安全高度を保っていても、ネットの設置位置から、地面(大きな機材など下にあるもの)までの高さが十分にないと、せっかくにネットが受け止めても、そのまま地面に衝突ということになってしまいます。
ネットの設置位置から、地面までの必要な最低高度は以下の公式で求められます。
ネットの下部のあき(ネットの設置面から地面まで開けなければならない高さ)≧0.85×(L+3×A)/4
※ただし A≦L の範囲では、AはLと同値として計算します。
※落ちる人の体重、ネットの種類は加味しません。(ネットとロープは安全ネットに基準を満たしている場合)
※L=ネットの短か手の方の長さ
A=ネットの長手の方の取付ピッチ
4)設置は必ず四隅を付属にロープでしっかりとした場所に結び付け、間は3m以内になるように同様に設置する。
安全ネットは必ず四隅を足場の柱など、強度の高い場所に結び付けてください。
四隅が正しく設置されていないと、安全性は保たれません。
また、間は3m以内になるように付属のロープでしっかりと結びつけて設置してください。
別売の「かがりロープ」はあくまで「補強」なので、かがりロープだけで設置することはできません。

5)安全ネットの使用期限は1年間
安全ネットには、使用期限があります。
ネットに付属している製品ラベルには、製作時期が記載されていますので、その日より1年間が有効期限となります。
使用せずに保管していた場合も同様です。
この期間を過ぎた安全ネットは安全性が確保されませんので、必ず交換してください。
6)一度人を受けたネットは廃棄となります
事故により、一度人や物を受けたネットやロープは、衝撃により強度が極端に低下している場合があります。見た目には劣化は見られなくても、一度転落をうけたネットは速やかに交換してください。
使用期限内であっても同様です。